今回は、映画「再会の街で」
ニューヨークの歯科医アランは美しい妻と二人の娘に恵まれ、さらに仕事は順調、他人もうらやむ生活を送っていた。ある日アランは大学時代のルームメイト、チャーリーを街で見かける。彼は“9.11”で妻子を亡くして以来、消息がわからなくなっていたのだ。後日アランは再びチャーリーと遭遇するが、彼は昔のことを覚えていない様子。だが、自宅アパートに招待してくれた。そこは何とも言えない不思議な空間で…。
再会の街で - goo 映画
上映時間 124分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開(ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)
初公開年月 2007/12/22
ジャンル ドラマ
監督 マイク・バインダー
製作 ジャック・バインダー マイケル・ロテンバーグ
製作総指揮 ジャック・ジャラプト リンウッド・スピンクス
脚本 マイク・バインダー
撮影 ラス・オルソーブルック
美術 ピッポ・ウィンター
衣装 デボラ・L・スコット
編集 スティーヴ・エドワーズ ジェレミー・ラウシュ
音楽 ロルフ・ケント
音楽スーパーバイザー デイヴ・ジョーダン
出演
アダム・サンドラー ドン・チードル ジェイダ・ピンケット=スミス リヴ・タイラー サフロン・バロウズ
ドナルド・サザーランド マイク・バインダー 他
DVD借りるのを忘れていた作品です。夢眠の映画館(Author:夢眠さん)の紹介記事を見て思い出しました。
アダム・サンドラーとドン・チードルが共演する、911テロを絡めた少々シリアスな物語…
ドン・チードルは「ホテル・ルワンダ」や、「クラッシュ」でシリアスな作品を…と聞いてもイメージできましたが、アダム・サンドラーは、「パンチドランク・ラブ」くらいしか観たことがなく、どちらかというと、"ラブコメにいろいろと出演している俳優さん"というイメージでした。

ところがところが・・・ シリアスながらもコミカルに、心に闇を持つ主人公を演じています。今回は、911テロで家族全員と愛犬を一瞬に失い、心を閉ざしてしまった元歯科医を演じています。「パンチドランク・ラブ」でも、少々神経症気味の役を演じていましたが、この作品での演技の話を聞き、マイク・バインダー監督は出演依頼をしたそうです。髪型も今までのイメージと一変し、監督曰く、"一時期のボブ・ディラン"のような風貌です。

物語は非常にシンプルなので割愛しますが、作品のテーマは「友情による癒し、コミュニケーションの必要性」になるのですが、一見順調そうに見えるドン・チードル扮するアランも、コミュニケーションに関しては問題を抱えていて、見るからに問題を抱えているアダム・サンドラー扮するチャーリーとの交流で癒され、自己を見つめなおすことになります。製作に際しては、911テロの遺族に会い、リサーチを重ね、完成後は遺族の方への試写会まで開催したそうです。
映画という限られた時間の中で回復に時間のかかるこの問題を描くには、無理も生じます。もしこの作品が、安易なハッピーエンドだったら、記事を書くこともなかったと思いますが、希望は残しつつ、先は分からない・・・という結末に安堵しました。
"思い出したくないこと=忘れたことにする"というのは、経験した事のある方もいらっしゃるかもしれません。出来ればなかったことにしたいのですが、思いが強ければ強いほど忘れられないものです。そのことを思い出したくない、話したくない、"話すことが治療になる"と言われても出来ない、話したくない、だからこそ苦しみます。そんな心の動きを、義理の父母との交流、主人公の住む自宅の様子、心を惹かれる女性が茶色い髪のロングヘアーの女性etc… 様々な形で描いています。

もともとスタンダップ・コメディアンだったマイク・バインダー監督、その経歴を物語るようなシリアスでありながら笑いもあるあたたかい作品です。美しいニューヨークの景色と、70年代の音楽も楽しめる作品です。
(ちなみに、マイク・バインダー監督は会計士役で出演しています)
映画「再会の街で」公式サイト
ふたりの男の魂の交流を描いたマイク・バインダー監督を直撃!
マイク・バインダー監督 来日会見
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ニューヨークの歯科医アランは美しい妻と二人の娘に恵まれ、さらに仕事は順調、他人もうらやむ生活を送っていた。ある日アランは大学時代のルームメイト、チャーリーを街で見かける。彼は“9.11”で妻子を亡くして以来、消息がわからなくなっていたのだ。後日アランは再びチャーリーと遭遇するが、彼は昔のことを覚えていない様子。だが、自宅アパートに招待してくれた。そこは何とも言えない不思議な空間で…。
再会の街で - goo 映画
上映時間 124分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開(ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)
初公開年月 2007/12/22
ジャンル ドラマ
監督 マイク・バインダー
製作 ジャック・バインダー マイケル・ロテンバーグ
製作総指揮 ジャック・ジャラプト リンウッド・スピンクス
脚本 マイク・バインダー
撮影 ラス・オルソーブルック
美術 ピッポ・ウィンター
衣装 デボラ・L・スコット
編集 スティーヴ・エドワーズ ジェレミー・ラウシュ
音楽 ロルフ・ケント
音楽スーパーバイザー デイヴ・ジョーダン
出演
アダム・サンドラー ドン・チードル ジェイダ・ピンケット=スミス リヴ・タイラー サフロン・バロウズ
ドナルド・サザーランド マイク・バインダー 他
![]() | 再会の街で (2008/06/25) ドン・チードルアダム・サンドラー 商品詳細を見る |
DVD借りるのを忘れていた作品です。夢眠の映画館(Author:夢眠さん)の紹介記事を見て思い出しました。
アダム・サンドラーとドン・チードルが共演する、911テロを絡めた少々シリアスな物語…
ドン・チードルは「ホテル・ルワンダ」や、「クラッシュ」でシリアスな作品を…と聞いてもイメージできましたが、アダム・サンドラーは、「パンチドランク・ラブ」くらいしか観たことがなく、どちらかというと、"ラブコメにいろいろと出演している俳優さん"というイメージでした。

ところがところが・・・ シリアスながらもコミカルに、心に闇を持つ主人公を演じています。今回は、911テロで家族全員と愛犬を一瞬に失い、心を閉ざしてしまった元歯科医を演じています。「パンチドランク・ラブ」でも、少々神経症気味の役を演じていましたが、この作品での演技の話を聞き、マイク・バインダー監督は出演依頼をしたそうです。髪型も今までのイメージと一変し、監督曰く、"一時期のボブ・ディラン"のような風貌です。

物語は非常にシンプルなので割愛しますが、作品のテーマは「友情による癒し、コミュニケーションの必要性」になるのですが、一見順調そうに見えるドン・チードル扮するアランも、コミュニケーションに関しては問題を抱えていて、見るからに問題を抱えているアダム・サンドラー扮するチャーリーとの交流で癒され、自己を見つめなおすことになります。製作に際しては、911テロの遺族に会い、リサーチを重ね、完成後は遺族の方への試写会まで開催したそうです。
映画という限られた時間の中で回復に時間のかかるこの問題を描くには、無理も生じます。もしこの作品が、安易なハッピーエンドだったら、記事を書くこともなかったと思いますが、希望は残しつつ、先は分からない・・・という結末に安堵しました。
"思い出したくないこと=忘れたことにする"というのは、経験した事のある方もいらっしゃるかもしれません。出来ればなかったことにしたいのですが、思いが強ければ強いほど忘れられないものです。そのことを思い出したくない、話したくない、"話すことが治療になる"と言われても出来ない、話したくない、だからこそ苦しみます。そんな心の動きを、義理の父母との交流、主人公の住む自宅の様子、心を惹かれる女性が茶色い髪のロングヘアーの女性etc… 様々な形で描いています。

もともとスタンダップ・コメディアンだったマイク・バインダー監督、その経歴を物語るようなシリアスでありながら笑いもあるあたたかい作品です。美しいニューヨークの景色と、70年代の音楽も楽しめる作品です。
(ちなみに、マイク・バインダー監督は会計士役で出演しています)
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今回は、映画「翼のない天使(1998)」
ジョシュア(ジョセフ・クロス)は、カトリックの男子校に通う小学5年生。大好きでいつも一緒だったおじいちゃん(ロバート・ロッジア)が死んで数ヶ月たったが、天国にたどりついたかが心配でたまらない。お父さん(デニス・リアリー)、お母さん(ダナ・デラニー)や先生に聞いても、ちゃんと教えてくれない。おじいちゃんが天国で無事かどうか。その答えを見つけるため、ジョシュアはたった一人で神様を探すことを決意する。
翼のない天使 <未> (1998) allcinema online
上映時間 87分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場未公開
ジャンル ドラマ/ファミリー
監督 M・ナイト・シャマラン
製作 ケイリー・ウッズ キャシー・コンラッド
製作総指揮 ボブ・ワインスタイン ハーヴェイ・ワインスタイン ランディ・オストロウ メリル・ポスター
脚本 M・ナイト・シャマラン
撮影 アダム・ホレンダー
音楽 エドマンド・チョイ
出演
ジョセフ・クロス ロージー・オドネル デニス・リアリー ティモシー・レイフシュナイダー ダナ・デラニー
ロバート・ロジア カムリン・マンハイム ギル・ロビンス ジュリア・スタイルズ ダン・ローリア 他
今月の特集、まずはM・ナイト・シャマラン監督から。
長編デビュー作は、「Praying with Anger」(1992 未公開)は、アメリカで暮らす主人公両親の故郷インドを訪れ、自分のルーツに目覚めるという物語でした。シャマランは、インドの医師の家系に生まれ、幼少の頃にアメリカ・フィラデルフィアへ移住し、子供の頃、両親から8ミリカメラをプレゼントされたのが映画を撮り始るきっかけだったということからも、かなり自伝的内容の作品だといえるでしょう。(自ら主演も兼ねています)
さて、「翼のない天使」は、続く2作目になりますが、物語は大好きだった祖父の死から始まります。死んだ祖父は聖書の通り、天国にいるのだろうか?心配になり、周囲に尋ねますが、だれも明確には答えてくれません。カトリック学校での生活を通し、両親や友人との交流の中で答えを模索する物語ですが、この作品も自己確立、家族や友人との関係、宗教といったシャマラン監督のごく個人的テーマを描いた作品と言えます。

1作目、2作目とも、日本では未公開の作品ですが、3作目の「シックス・センス」で一躍脚光を浴びることになります。衝撃の結末に注目が集まり、以降その部分に注目が集まりがちですが、「レディ・イン・ザ・ウォーター」以前の作品までは、実は個人的テーマを描き続けていることに変わりはありません。
すべての作品は誰かの死から始まります。過去に救えなかった患者、一緒に列車に乗り合わせた多くの乗客、妻の突然の事故死、村人の争葬儀のシーンと、全てが死から始まる作品です。
描いているテーマも宗教、自己確立、家族や身の回りの人々との関わりといった個人的テーマを描き続けていることに変わりはありません。「シックス・センス」の成功で、シャマラン監督は気づきました。
"個人的テーマを描きながら、観客を惹きつけるにはどうすればいいか?"
周囲の関心も、次はどんな結末なのか?に注目が集まるようになります。映画監督が自ら描きたいテーマを作り続ける手法に気づいた時、インタビューなどでも"どんな作品を作ればいいか分かった"といった発言が出るのもこうした点にあるのでしょう。
「シックス・センス」が、単に衝撃の結末だけの作品ならば、オチが分かっているのになぜ何度も観ることができるのか?それは次回・・・
ちなみに、この作品の原題は、「Wide Awake」。
邦題の「翼のない天使」… オチをタイトルにしたらあかんやん!!
M・ナイト・シャマラン監督最新作 映画「ハプニング」公式サイト
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ジョシュア(ジョセフ・クロス)は、カトリックの男子校に通う小学5年生。大好きでいつも一緒だったおじいちゃん(ロバート・ロッジア)が死んで数ヶ月たったが、天国にたどりついたかが心配でたまらない。お父さん(デニス・リアリー)、お母さん(ダナ・デラニー)や先生に聞いても、ちゃんと教えてくれない。おじいちゃんが天国で無事かどうか。その答えを見つけるため、ジョシュアはたった一人で神様を探すことを決意する。
翼のない天使 <未> (1998) allcinema online
上映時間 87分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場未公開
ジャンル ドラマ/ファミリー
監督 M・ナイト・シャマラン
製作 ケイリー・ウッズ キャシー・コンラッド
製作総指揮 ボブ・ワインスタイン ハーヴェイ・ワインスタイン ランディ・オストロウ メリル・ポスター
脚本 M・ナイト・シャマラン
撮影 アダム・ホレンダー
音楽 エドマンド・チョイ
出演
ジョセフ・クロス ロージー・オドネル デニス・リアリー ティモシー・レイフシュナイダー ダナ・デラニー
ロバート・ロジア カムリン・マンハイム ギル・ロビンス ジュリア・スタイルズ ダン・ローリア 他
![]() | 翼のない天使 (2005/11/25) ジョセフ・クロス 商品詳細を見る |
今月の特集、まずはM・ナイト・シャマラン監督から。
長編デビュー作は、「Praying with Anger」(1992 未公開)は、アメリカで暮らす主人公両親の故郷インドを訪れ、自分のルーツに目覚めるという物語でした。シャマランは、インドの医師の家系に生まれ、幼少の頃にアメリカ・フィラデルフィアへ移住し、子供の頃、両親から8ミリカメラをプレゼントされたのが映画を撮り始るきっかけだったということからも、かなり自伝的内容の作品だといえるでしょう。(自ら主演も兼ねています)
さて、「翼のない天使」は、続く2作目になりますが、物語は大好きだった祖父の死から始まります。死んだ祖父は聖書の通り、天国にいるのだろうか?心配になり、周囲に尋ねますが、だれも明確には答えてくれません。カトリック学校での生活を通し、両親や友人との交流の中で答えを模索する物語ですが、この作品も自己確立、家族や友人との関係、宗教といったシャマラン監督のごく個人的テーマを描いた作品と言えます。

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1作目、2作目とも、日本では未公開の作品ですが、3作目の「シックス・センス」で一躍脚光を浴びることになります。衝撃の結末に注目が集まり、以降その部分に注目が集まりがちですが、「レディ・イン・ザ・ウォーター」以前の作品までは、実は個人的テーマを描き続けていることに変わりはありません。
すべての作品は誰かの死から始まります。過去に救えなかった患者、一緒に列車に乗り合わせた多くの乗客、妻の突然の事故死、村人の争葬儀のシーンと、全てが死から始まる作品です。
描いているテーマも宗教、自己確立、家族や身の回りの人々との関わりといった個人的テーマを描き続けていることに変わりはありません。「シックス・センス」の成功で、シャマラン監督は気づきました。
"個人的テーマを描きながら、観客を惹きつけるにはどうすればいいか?"
周囲の関心も、次はどんな結末なのか?に注目が集まるようになります。映画監督が自ら描きたいテーマを作り続ける手法に気づいた時、インタビューなどでも"どんな作品を作ればいいか分かった"といった発言が出るのもこうした点にあるのでしょう。
「シックス・センス」が、単に衝撃の結末だけの作品ならば、オチが分かっているのになぜ何度も観ることができるのか?それは次回・・・
ちなみに、この作品の原題は、「Wide Awake」。
邦題の「翼のない天使」… オチをタイトルにしたらあかんやん!!
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今回は、映画「告発のとき」
2004年、ハンクの元に息子のマイクが軍から姿を消したと連絡が入る。イラクから戻ったマイクが基地へ戻らないというのだ。ハンクも引退した元軍人だった。息子の行動に疑問を持ったハンクは基地のある町へと向かう。帰国している同じ隊の仲間たちに聞いても、皆マイクの行方を知らなかった。やがてマイクの焼死体が発見されたという連絡が入る。ハンクは地元警察の女刑事エミリーの協力を得て、事件の真相を探ろうとするが…。
告発のとき - goo 映画
上映時間 121分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開(ムービーアイ)
初公開年月 2008/06/28
ジャンル ドラマ/ミステリー
監督 ポール・ハギス
製作 ポール・ハギス パトリック・ワックスバーガー スティーヴ・サミュエルズ
ダーレーン・カーマニョ・ロケット ローレンス・ベクシー
製作総指揮 スタン・ヴロドコウスキー デヴィッド・ギャレット エリック・フェイグ ジェームズ・ホルト
エミリオ・ディエス・バロッソ
原案 マーク・ボール ポール・ハギス
脚本 ポール・ハギス
撮影 ロジャー・ディーキンス
美術 ローレンス・ベネット
衣装 リサ・ジェンセン
編集 ジョー・フランシス
音楽 マーク・アイシャム
出演
トミー・リー・ジョーンズ シャーリーズ・セロン スーザン・サランドン ジョナサン・タッカー
ジェームズ・フランコ フランシス・フィッシャー ジョシュ・ブローリン ジェイソン・パトリック
ジェイク・マクラフリン メカッド・ブルックス ヴィクター・ウルフ 他

ポール・ハギス監督が脚本として参加した映画、「父親達の星条旗」。アメリカ人にとって大きな意味のある国旗。過去の歴史的な出来事で、アメリカ国旗はアメリカの象徴であるかのように映像として残っています。この作品も冒頭とラストシーンに国旗のイメージが登場しますが、そのシーンだけで現在のアメリカの現状を表している、そんな作品です。
アメリカ版「PLAYBOY」2004年5月号に掲載された、マーク・ボールズの「死と不名誉」というルポをもとに作られた作品ですが、ポール・ハギス監督はこの作品を次のように語っています。
「今回の映画は、単純な反戦映画ではない。でも戦争を賛美した映画でもない。究極的にはもちろん戦争反対の物語なんだけど、『硫黄島からの手紙』でもそうだったように、僕が一番語りたかったのは、このような状況に置かれた男と女が、どのような人間だったかということなんだ。そして、彼らに何が起こったのかを描きたかった」

イラクでの戦闘によるPTSD(心的外傷ストレス障害)を抱え、帰国後も心に闇をもつ人が増えているそうです。パンフレットよると、2006年までにイラクやアフガニスタンに従軍した兵士の10〜15%(13,000〜20,000人)がPTSDと診断されているそうです。自殺者は2006年だけで102人、自殺未遂に至っては2100件以上に上り、イラク戦争以降増え続けているそうです。
この作品も、そんな帰還兵達が起こした事件をめぐる物語ですが、想像を絶する戦場の恐怖が彼らの心を蝕み、帰国後もなかなか社会に適応しにくい状況が生んだ事件を描いています。事件は帰国直後という、ほとんど心は戦場にいた時のままのような状況で発生しますが、実際の事件でも、犯行を認めた事件関係者は、 「しょうがなかったんだ」 と言ったそうです。
この作品の中でも、同様の告白をするシーンが描かれていますが、全身を30箇所以上(映画では40箇所以上)刺して殺害したことを「しょうがない」こととは、通常は考えられないのですが、戦場の常識ではこれが常識になってしまうのでしょう。

引退した元軍人警官であった父親(トミー・リー・ジョーンズ)は、愛国心の強い人間として描かれていますが、息子に起こった出来事の真相が明らかになるにつれ、それまで信じてきた愛国心や、軍人としての誇り、軍人のモラルといったものがどんどん崩れていきます。愛国心の強いアメリカ国民の多くは、この作品の父親同様、現在のイラク戦争の状況を知るにつれこれまで信条としていたものを失い悩んでいるように思います。正義の国と信じていたアメリカはどうなってしまったのか?これからどうなっていくのか? この作品で描かれる最も大きな部分です。
アメリカ国旗を逆に掲揚することは、"国家の危機"を表すそうです。この作品で登場する"逆さまのアメリカ国旗"が、ポール・ハギス監督の最も伝えたかったメッセージのように思います。
そこで思いました。日本はどうなんだろう・・・ 国旗、逆さまにしても分からないのでは…
映画「告発のとき」公式サイト
みんな不透明な愛国心を持ってしまっていた”『告発のとき』トミー・リー・ジョーンズ インタビュー
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2004年、ハンクの元に息子のマイクが軍から姿を消したと連絡が入る。イラクから戻ったマイクが基地へ戻らないというのだ。ハンクも引退した元軍人だった。息子の行動に疑問を持ったハンクは基地のある町へと向かう。帰国している同じ隊の仲間たちに聞いても、皆マイクの行方を知らなかった。やがてマイクの焼死体が発見されたという連絡が入る。ハンクは地元警察の女刑事エミリーの協力を得て、事件の真相を探ろうとするが…。
告発のとき - goo 映画
上映時間 121分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開(ムービーアイ)
初公開年月 2008/06/28
ジャンル ドラマ/ミステリー
監督 ポール・ハギス
製作 ポール・ハギス パトリック・ワックスバーガー スティーヴ・サミュエルズ
ダーレーン・カーマニョ・ロケット ローレンス・ベクシー
製作総指揮 スタン・ヴロドコウスキー デヴィッド・ギャレット エリック・フェイグ ジェームズ・ホルト
エミリオ・ディエス・バロッソ
原案 マーク・ボール ポール・ハギス
脚本 ポール・ハギス
撮影 ロジャー・ディーキンス
美術 ローレンス・ベネット
衣装 リサ・ジェンセン
編集 ジョー・フランシス
音楽 マーク・アイシャム
出演
トミー・リー・ジョーンズ シャーリーズ・セロン スーザン・サランドン ジョナサン・タッカー
ジェームズ・フランコ フランシス・フィッシャー ジョシュ・ブローリン ジェイソン・パトリック
ジェイク・マクラフリン メカッド・ブルックス ヴィクター・ウルフ 他

ポール・ハギス監督が脚本として参加した映画、「父親達の星条旗」。アメリカ人にとって大きな意味のある国旗。過去の歴史的な出来事で、アメリカ国旗はアメリカの象徴であるかのように映像として残っています。この作品も冒頭とラストシーンに国旗のイメージが登場しますが、そのシーンだけで現在のアメリカの現状を表している、そんな作品です。
アメリカ版「PLAYBOY」2004年5月号に掲載された、マーク・ボールズの「死と不名誉」というルポをもとに作られた作品ですが、ポール・ハギス監督はこの作品を次のように語っています。
「今回の映画は、単純な反戦映画ではない。でも戦争を賛美した映画でもない。究極的にはもちろん戦争反対の物語なんだけど、『硫黄島からの手紙』でもそうだったように、僕が一番語りたかったのは、このような状況に置かれた男と女が、どのような人間だったかということなんだ。そして、彼らに何が起こったのかを描きたかった」

イラクでの戦闘によるPTSD(心的外傷ストレス障害)を抱え、帰国後も心に闇をもつ人が増えているそうです。パンフレットよると、2006年までにイラクやアフガニスタンに従軍した兵士の10〜15%(13,000〜20,000人)がPTSDと診断されているそうです。自殺者は2006年だけで102人、自殺未遂に至っては2100件以上に上り、イラク戦争以降増え続けているそうです。
この作品も、そんな帰還兵達が起こした事件をめぐる物語ですが、想像を絶する戦場の恐怖が彼らの心を蝕み、帰国後もなかなか社会に適応しにくい状況が生んだ事件を描いています。事件は帰国直後という、ほとんど心は戦場にいた時のままのような状況で発生しますが、実際の事件でも、犯行を認めた事件関係者は、 「しょうがなかったんだ」 と言ったそうです。
この作品の中でも、同様の告白をするシーンが描かれていますが、全身を30箇所以上(映画では40箇所以上)刺して殺害したことを「しょうがない」こととは、通常は考えられないのですが、戦場の常識ではこれが常識になってしまうのでしょう。

引退した元軍人警官であった父親(トミー・リー・ジョーンズ)は、愛国心の強い人間として描かれていますが、息子に起こった出来事の真相が明らかになるにつれ、それまで信じてきた愛国心や、軍人としての誇り、軍人のモラルといったものがどんどん崩れていきます。愛国心の強いアメリカ国民の多くは、この作品の父親同様、現在のイラク戦争の状況を知るにつれこれまで信条としていたものを失い悩んでいるように思います。正義の国と信じていたアメリカはどうなってしまったのか?これからどうなっていくのか? この作品で描かれる最も大きな部分です。
アメリカ国旗を逆に掲揚することは、"国家の危機"を表すそうです。この作品で登場する"逆さまのアメリカ国旗"が、ポール・ハギス監督の最も伝えたかったメッセージのように思います。
そこで思いました。日本はどうなんだろう・・・ 国旗、逆さまにしても分からないのでは…
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今回は、映画「プライベート・ライアン(1998)」
時は1944年。第2次世界大戦の真っ只中、米英連合軍はフランス・ノルマンディのオマハビーチでドイツ軍の未曾有の銃撃を受け、多くの歩兵が命を落としていった。戦禍を切り抜けたミラー大尉(トム・ハンクス)に、軍の最高首脳から「3人の兄を戦争で失った末っ子のジェームズ・ライアン2等兵を探し出し、故郷の母親の元へ帰国させよ」という命令が下った…
プライベート・ライアン(1998) - goo 映画
上映時間 170分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開(UIP)
初公開年月 1998/09/
ジャンル ドラマ/戦争
監督 スティーヴン・スピルバーグ
製作 スティーヴン・スピルバーグ イアン・ブライス マーク・ゴードン ゲイリー・レヴィンソン
脚本 ロバート・ロダット フランク・ダラボン(ノンクレジット)
撮影 ヤヌス・カミンスキー
特撮 ILM
音楽 ジョン・ウィリアムズ
出演
トム・ハンクス トム・サイズモア エドワード・バーンズ バリー・ペッパー アダム・ゴールドバーグ
ヴィン・ディーゼル ジョヴァンニ・リビシ ジェレミー・デイヴィス テッド・ダンソン デニス・ファリナ
ポール・ジアマッティ デイル・ダイ マット・デイモン ハリソン・ヤング シェーン・ジョンソン
リーランド・オーサー マクシミリアン・マーティーニ ネイサン・フィリオン ディラン・ブルーノ 他
スピルバーグ監督特集で、一つ紹介していなかった作品です。1998年アカデミー監督賞、撮影賞、音響賞、音響効果編集賞、編集賞をはじめ、その年の映画賞で多数授賞した作品です。この作品の最大の見所は、ナイランド兄弟の実際のエピソードを脚色したドラマ部分ではなく、いろいろと話題になる冒頭約20分に渡る、オマハビーチの戦闘シーンです。この作品の全てと言っても良いと思います。

この作品の画期的な点は、この戦闘シーンで、それまでの戦争映画にはない、戦闘シーンの壮絶な描写にあります。それまでの戦争映画では、司令部のようなものが登場したり、戦争という大きな視点で描かれるものが多かったのですが、この作品は、完全に"戦闘"の描写に特化したことで、人間の殺し合いの残酷さ、むなしさをよりリアルに描いています。

戦闘シーン以外のドラマ部分より、戦闘シーンを観るだけで、戦争の悲惨さは充分に伝わるはずです。被弾したり、爆弾で飛ばされても、それほど壮絶に観えない作品もありましたが、この作品では、手足がちぎれ、内臓が飛び出し、カメラのレンズに血飛沫が飛ぶほどの徹底したグロ描写で戦闘シーンを描いています。おそらく、冒頭20分こそ、スピルバーグが最も映像化したかった部分に違いありません。
オマハビーチの戦闘シーン
映画「シンドラーのリスト」での、強制収用所のドキュメンタリーを観るようなリアリティあふれる描写、この作品のオマハビーチの戦闘シーン、そして「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」の核爆発によるきのこ雲、これらは第2次大戦の中で、スピルバーグの心を最も捉えたシーンであったのだろうと想像できます。ちなみに、スピルバーグのこれほどまでの第2次大戦への関心は、スピルバーグが子供の頃、父親から聞かされた太平洋戦線に参加していた頃のエピソードによると言われています。
上映時間170分、製作費$70,000,000の大作でありながら、撮影期間はなんと60日間。もともと、スピルバーグ監督は撮影に関しては非常に早いそうですが、驚きのスピードです。
ここで、面白い映像をご覧ください。イギリスのテレビ番組「トップ・ギア」のタレント、リチャード・ハモンドという人が行った、3人でたった4日間でオマハビーチの戦いを再現できるかを撮影した映像です。結構いけてるかも? おもろいことを考えますね〜(笑)
参考:「プライベート・ライアン」を3人で4日で再現する!
リドリー・スコット監督の「ブラックホーク・ダウン」をはじめ、後に製作される戦争映画にも大きな影響を与えたシーンです。また、音響賞を受賞しただけあり、戦闘シーンの音の迫力、メリハリはかなりのものです。ヘッドフォンで聴くとよりリアルだと思いますのでお試しください。
ありゃ?完全に、ドラマ部分を省略してしまいましたね・・・(笑)
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時は1944年。第2次世界大戦の真っ只中、米英連合軍はフランス・ノルマンディのオマハビーチでドイツ軍の未曾有の銃撃を受け、多くの歩兵が命を落としていった。戦禍を切り抜けたミラー大尉(トム・ハンクス)に、軍の最高首脳から「3人の兄を戦争で失った末っ子のジェームズ・ライアン2等兵を探し出し、故郷の母親の元へ帰国させよ」という命令が下った…
プライベート・ライアン(1998) - goo 映画
上映時間 170分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開(UIP)
初公開年月 1998/09/
ジャンル ドラマ/戦争
監督 スティーヴン・スピルバーグ
製作 スティーヴン・スピルバーグ イアン・ブライス マーク・ゴードン ゲイリー・レヴィンソン
脚本 ロバート・ロダット フランク・ダラボン(ノンクレジット)
撮影 ヤヌス・カミンスキー
特撮 ILM
音楽 ジョン・ウィリアムズ
出演
トム・ハンクス トム・サイズモア エドワード・バーンズ バリー・ペッパー アダム・ゴールドバーグ
ヴィン・ディーゼル ジョヴァンニ・リビシ ジェレミー・デイヴィス テッド・ダンソン デニス・ファリナ
ポール・ジアマッティ デイル・ダイ マット・デイモン ハリソン・ヤング シェーン・ジョンソン
リーランド・オーサー マクシミリアン・マーティーニ ネイサン・フィリオン ディラン・ブルーノ 他
![]() | プライベート・ライアン (2006/07/07) トム・ハンクス 商品詳細を見る |
スピルバーグ監督特集で、一つ紹介していなかった作品です。1998年アカデミー監督賞、撮影賞、音響賞、音響効果編集賞、編集賞をはじめ、その年の映画賞で多数授賞した作品です。この作品の最大の見所は、ナイランド兄弟の実際のエピソードを脚色したドラマ部分ではなく、いろいろと話題になる冒頭約20分に渡る、オマハビーチの戦闘シーンです。この作品の全てと言っても良いと思います。

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この作品の画期的な点は、この戦闘シーンで、それまでの戦争映画にはない、戦闘シーンの壮絶な描写にあります。それまでの戦争映画では、司令部のようなものが登場したり、戦争という大きな視点で描かれるものが多かったのですが、この作品は、完全に"戦闘"の描写に特化したことで、人間の殺し合いの残酷さ、むなしさをよりリアルに描いています。

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戦闘シーン以外のドラマ部分より、戦闘シーンを観るだけで、戦争の悲惨さは充分に伝わるはずです。被弾したり、爆弾で飛ばされても、それほど壮絶に観えない作品もありましたが、この作品では、手足がちぎれ、内臓が飛び出し、カメラのレンズに血飛沫が飛ぶほどの徹底したグロ描写で戦闘シーンを描いています。おそらく、冒頭20分こそ、スピルバーグが最も映像化したかった部分に違いありません。
オマハビーチの戦闘シーン
映画「シンドラーのリスト」での、強制収用所のドキュメンタリーを観るようなリアリティあふれる描写、この作品のオマハビーチの戦闘シーン、そして「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」の核爆発によるきのこ雲、これらは第2次大戦の中で、スピルバーグの心を最も捉えたシーンであったのだろうと想像できます。ちなみに、スピルバーグのこれほどまでの第2次大戦への関心は、スピルバーグが子供の頃、父親から聞かされた太平洋戦線に参加していた頃のエピソードによると言われています。
上映時間170分、製作費$70,000,000の大作でありながら、撮影期間はなんと60日間。もともと、スピルバーグ監督は撮影に関しては非常に早いそうですが、驚きのスピードです。
ここで、面白い映像をご覧ください。イギリスのテレビ番組「トップ・ギア」のタレント、リチャード・ハモンドという人が行った、3人でたった4日間でオマハビーチの戦いを再現できるかを撮影した映像です。結構いけてるかも? おもろいことを考えますね〜(笑)
参考:「プライベート・ライアン」を3人で4日で再現する!
リドリー・スコット監督の「ブラックホーク・ダウン」をはじめ、後に製作される戦争映画にも大きな影響を与えたシーンです。また、音響賞を受賞しただけあり、戦闘シーンの音の迫力、メリハリはかなりのものです。ヘッドフォンで聴くとよりリアルだと思いますのでお試しください。
ありゃ?完全に、ドラマ部分を省略してしまいましたね・・・(笑)
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今回は、映画「サラエボの花」
ボスニア・ヘルツェゴヴィナの首都サラエボで、シングル・マザーのエスマは12歳の娘サラと2人で暮らしている。生活は厳しく、エスマは深夜までナイトクラブで働かねばならない。疲労が重なったエスマは、ときどき自分の感情をコントロールできなくなり、サラに対して辛くあたってしまう。一方、娘のサラは戦争で死んだという父親の死について疑問を持ち、エスマを問い詰める。エスマには娘には言えない隠された過去があったのだ。
サラエボの花 - goo 映画
上映時間 95分
製作国 ボスニア・ヘルツェゴヴィナ/オーストリア/ドイツ/クロアチア
公開情報 劇場公開(アルバトロス・フィルム=ツイン)
初公開年月 2007/12/01
ジャンル ドラマ
監督 ヤスミラ・ジュバニッチ
製作 バーバラ・アルバート ダミル・イブラヒモヴィッチ ブルノ・ワグナー
脚本 ヤスミラ・ジュバニッチ
撮影 クリスティーン・A・メイヤー
出演
ミリャナ・カラノヴィッチ ルナ・ミヨヴィッチ レオン・ルチェフ ケナン・チャティチ 他
監督は、地元サラエボ出身で、これがデビューとなる弱冠32歳の女性監督、ヤスミラ・ジュバニッチ。2006年のベルリン国際映画祭では、グランプリの金熊賞、エキュメニカル賞、平和映画賞を受賞した作品です。
戦後最悪の紛争といわれるボスニア・ヘルツェゴヴィナの内戦ですが、紛争の犠牲となり心に傷を持つ母と、その娘の物語ですが、内戦でどんなことが行われたか知っていると、作品の前半に描かれる登場人物の微妙な表情や人間関係を観ると、その後の展開が分かってしまうかもしれません。想像通りの展開ではありましたが、かえって安心して観れるので親子の心の葛藤に集中できると思います。(ボスニア・ヘルツェゴヴィナに関しては公式サイトの解説をご覧ください)
ジュバニッチ監督が「これは愛についての映画である」と言っている通り、辛い状況にはありますが様々な愛情が描かれています。辛い過去や現実だけを描くのではなく、そんな中でも前向きに生きていく様子が温かく描かれている点に好感を持てる作品です。
映画「サラエボの花」公式サイト
ヤスミラ・ジュバニッチ監督来日インタビュー
6月20日は世界難民の日だそうです。それを記念して今年で3回目となる難民映画祭が6月20日から27日まで開催されます。東京の数会場での開催ですが、入場は無料のようです。詳しくは公式サイトをご覧ください。
第3回難民映画祭 公式サイト
開催中は、多くの作品が上映され、今回の「サラエボの花」、以前紹介した「パレスチナ1948 NAKBA(ナクバ)」なども上映されます。このブログでもクリック募金を通じて皆さんに協力いただいていますが、今後も支援の輪や関心が高まることを願っています。
7月5日(土)から、日本で起こった難民認定をめぐる、クルド難民一家を追ったドキュメンタリー映画「バックドロップ・クルディスタン」も全国順次公開されます。ドキュメンタリー作品とは思えないポップな公式サイトが印象的です。
映画「バックドロップ・クルディスタン」公式サイト

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ボスニア・ヘルツェゴヴィナの首都サラエボで、シングル・マザーのエスマは12歳の娘サラと2人で暮らしている。生活は厳しく、エスマは深夜までナイトクラブで働かねばならない。疲労が重なったエスマは、ときどき自分の感情をコントロールできなくなり、サラに対して辛くあたってしまう。一方、娘のサラは戦争で死んだという父親の死について疑問を持ち、エスマを問い詰める。エスマには娘には言えない隠された過去があったのだ。
サラエボの花 - goo 映画
上映時間 95分
製作国 ボスニア・ヘルツェゴヴィナ/オーストリア/ドイツ/クロアチア
公開情報 劇場公開(アルバトロス・フィルム=ツイン)
初公開年月 2007/12/01
ジャンル ドラマ
監督 ヤスミラ・ジュバニッチ
製作 バーバラ・アルバート ダミル・イブラヒモヴィッチ ブルノ・ワグナー
脚本 ヤスミラ・ジュバニッチ
撮影 クリスティーン・A・メイヤー
出演
ミリャナ・カラノヴィッチ ルナ・ミヨヴィッチ レオン・ルチェフ ケナン・チャティチ 他
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監督は、地元サラエボ出身で、これがデビューとなる弱冠32歳の女性監督、ヤスミラ・ジュバニッチ。2006年のベルリン国際映画祭では、グランプリの金熊賞、エキュメニカル賞、平和映画賞を受賞した作品です。
戦後最悪の紛争といわれるボスニア・ヘルツェゴヴィナの内戦ですが、紛争の犠牲となり心に傷を持つ母と、その娘の物語ですが、内戦でどんなことが行われたか知っていると、作品の前半に描かれる登場人物の微妙な表情や人間関係を観ると、その後の展開が分かってしまうかもしれません。想像通りの展開ではありましたが、かえって安心して観れるので親子の心の葛藤に集中できると思います。(ボスニア・ヘルツェゴヴィナに関しては公式サイトの解説をご覧ください)
ジュバニッチ監督が「これは愛についての映画である」と言っている通り、辛い状況にはありますが様々な愛情が描かれています。辛い過去や現実だけを描くのではなく、そんな中でも前向きに生きていく様子が温かく描かれている点に好感を持てる作品です。
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6月20日は世界難民の日だそうです。それを記念して今年で3回目となる難民映画祭が6月20日から27日まで開催されます。東京の数会場での開催ですが、入場は無料のようです。詳しくは公式サイトをご覧ください。
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7月5日(土)から、日本で起こった難民認定をめぐる、クルド難民一家を追ったドキュメンタリー映画「バックドロップ・クルディスタン」も全国順次公開されます。ドキュメンタリー作品とは思えないポップな公式サイトが印象的です。
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今回は、映画「4分間のピアニスト」
刑務所で受刑者たちにピアノを教えるクリューガーは、ある日、稀に見る才能の持ち主ジェニーに出会う。反抗的で暴力的なジェニーは、幼い頃から神童と騒がれた天才少女だったが、今では刑務所内随一の問題児となっていた。嫉妬心と憎悪を露にする看守や受刑者仲間の卑劣な妨害にもめげず、クリューガーはジェニーの才能に葬り去ったはずの自らの夢を託し、コンテスト出場を目指して厳しいレッスンを続ける。
4分間のピアニスト - goo 映画
上映時間 115分
製作国 ドイツ
公開情報 劇場公開(ギャガ・コミュニケーションズ)
初公開年月 2007/11/10
ジャンル ドラマ/音楽
監督 クリス・クラウス
製作 アレクサンドラ・コルデス マイク・コルデス
脚本 クリス・クラウス
撮影 ユーディット・カウフマン
美術 ジルク・ビューア
衣装 ジョイア・ラスペ
編集 ウータ・シュミット
音楽 アネッテ・フォックス
出演
モニカ・ブライブトロイ ハンナー・ヘルツシュプルング スヴェン・ピッピッヒ リッキー・ミューラー
ヤスミン・タバタバイ シュテファン・クルト ヴァディム・グロウナ ナディヤ・ウール
女性ピアニストが主人公の作品は「ピアニスト」、「ピアノ・レッスン」など、どちらかというと艶っぽい作品が多いのかな?という印象を持っていましたが、この作品は違いました。途中少しそうなのかな?とも思いましたが、女性二人のガチンコ勝負の作品でした。
ドイツ映画らしく、ナチスの悪行が刑務所で受刑者たちにピアノを教えるクリューガーの人格に暗い影を落とす原因として描かれていますが、あくまで過去の記憶としての描き方になっています。クリス・クラウス監督のインタビューによると、この作品のテーマは、"人は内なる自由にいかにして到達するのか、また、周囲の者はどうしたらその手助けができるのか"、ということだそうで、そう考えると、クリューガーの過去の戦争中のエピソードも、過去の忌まわしい記憶に縛られた現在も、いかにしてその呪縛から自由になるかという戦いの記録として描かれています。また、殺人犯として刑に服しているジェニーも、養父との忌まわしい過去、自由のない刑務所内の暮らしの中で、クリューガーとの出会いにより心の自由を得ようとするきっかけをつかむことになります。
この作品の面白いところは、二人が手を取り合って助け合いながらお互いの心の自由を得る事ができるように協力し合うのではなく、ある意味でお互いを利用し合い、時に激しく対立しながら(最後まで対立していたのかもしれませんが・・・)それぞれが自分の心の自由を得るという、まさにガチンコ対決というストーリーが非常に斬新でした。
クライマックスはコンクールでの演奏になるのですが、普通なら練習した曲を美しく奏で、拍手の中エンドロールへという展開ですが、ジェニーの感情むき出しの強烈な演奏で幕を閉じます。"DVDのジャケット写真はイメージ写真だったのね"と、ここでようやく気づいたのですが、劇場公開をパスした理由がこの1枚の写真でした。"うしろ手に手錠なんて、こんなんで弾けるはずないやん"。理由は単にそれだけでした。ドカベンの殿馬や柔道一直線の近藤正臣(足で猫ふんじゃったを演奏)じゃあるまいし・・・(どっちも古〜!)と思っていたのですが、行っとけばよかったと後悔しています。劇場であの演奏シーンを体験したかったです。
ジェニー役のハンナー・ヘルツシュプルングは1200人以上の中から選ばれた無名の女優さんで、ピアノは全く弾けなかった(オーディションでは嘘をついたみたいです)そうですが、6ヶ月間の猛特訓でかなり上達したそうです。さすがにあそこまで素人が演奏できるはずもなく、日本人ピアニストの白木かえさんが吹き替えを担当したそうですが、コンテストの演奏の終盤では白木さんが多く映っているらしいですが分かりませんでした。
優雅にピアノを奏でるというイメージではなく、ピアノと格闘しているイメージです。"ピアノって打楽器だったんだ〜"という印象です。映画「シャイン」の演奏もかなり攻撃的でしたが、こちらは破壊的な演奏といった方がよいかもしれません。
感動作ではない(多分…)ですが、最後にはお互いに心の自由を得たというすがすがしさを感じる作品です。
映画「4分間のピアニスト」公式サイト
クリス・クラウス監督 インタビュー
ハンナー・ヘルツシュプルング インタビュー

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刑務所で受刑者たちにピアノを教えるクリューガーは、ある日、稀に見る才能の持ち主ジェニーに出会う。反抗的で暴力的なジェニーは、幼い頃から神童と騒がれた天才少女だったが、今では刑務所内随一の問題児となっていた。嫉妬心と憎悪を露にする看守や受刑者仲間の卑劣な妨害にもめげず、クリューガーはジェニーの才能に葬り去ったはずの自らの夢を託し、コンテスト出場を目指して厳しいレッスンを続ける。
4分間のピアニスト - goo 映画
上映時間 115分
製作国 ドイツ
公開情報 劇場公開(ギャガ・コミュニケーションズ)
初公開年月 2007/11/10
ジャンル ドラマ/音楽
監督 クリス・クラウス
製作 アレクサンドラ・コルデス マイク・コルデス
脚本 クリス・クラウス
撮影 ユーディット・カウフマン
美術 ジルク・ビューア
衣装 ジョイア・ラスペ
編集 ウータ・シュミット
音楽 アネッテ・フォックス
出演
モニカ・ブライブトロイ ハンナー・ヘルツシュプルング スヴェン・ピッピッヒ リッキー・ミューラー
ヤスミン・タバタバイ シュテファン・クルト ヴァディム・グロウナ ナディヤ・ウール
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女性ピアニストが主人公の作品は「ピアニスト」、「ピアノ・レッスン」など、どちらかというと艶っぽい作品が多いのかな?という印象を持っていましたが、この作品は違いました。途中少しそうなのかな?とも思いましたが、女性二人のガチンコ勝負の作品でした。
ドイツ映画らしく、ナチスの悪行が刑務所で受刑者たちにピアノを教えるクリューガーの人格に暗い影を落とす原因として描かれていますが、あくまで過去の記憶としての描き方になっています。クリス・クラウス監督のインタビューによると、この作品のテーマは、"人は内なる自由にいかにして到達するのか、また、周囲の者はどうしたらその手助けができるのか"、ということだそうで、そう考えると、クリューガーの過去の戦争中のエピソードも、過去の忌まわしい記憶に縛られた現在も、いかにしてその呪縛から自由になるかという戦いの記録として描かれています。また、殺人犯として刑に服しているジェニーも、養父との忌まわしい過去、自由のない刑務所内の暮らしの中で、クリューガーとの出会いにより心の自由を得ようとするきっかけをつかむことになります。
この作品の面白いところは、二人が手を取り合って助け合いながらお互いの心の自由を得る事ができるように協力し合うのではなく、ある意味でお互いを利用し合い、時に激しく対立しながら(最後まで対立していたのかもしれませんが・・・)それぞれが自分の心の自由を得るという、まさにガチンコ対決というストーリーが非常に斬新でした。
クライマックスはコンクールでの演奏になるのですが、普通なら練習した曲を美しく奏で、拍手の中エンドロールへという展開ですが、ジェニーの感情むき出しの強烈な演奏で幕を閉じます。"DVDのジャケット写真はイメージ写真だったのね"と、ここでようやく気づいたのですが、劇場公開をパスした理由がこの1枚の写真でした。"うしろ手に手錠なんて、こんなんで弾けるはずないやん"。理由は単にそれだけでした。ドカベンの殿馬や柔道一直線の近藤正臣(足で猫ふんじゃったを演奏)じゃあるまいし・・・(どっちも古〜!)と思っていたのですが、行っとけばよかったと後悔しています。劇場であの演奏シーンを体験したかったです。
ジェニー役のハンナー・ヘルツシュプルングは1200人以上の中から選ばれた無名の女優さんで、ピアノは全く弾けなかった(オーディションでは嘘をついたみたいです)そうですが、6ヶ月間の猛特訓でかなり上達したそうです。さすがにあそこまで素人が演奏できるはずもなく、日本人ピアニストの白木かえさんが吹き替えを担当したそうですが、コンテストの演奏の終盤では白木さんが多く映っているらしいですが分かりませんでした。
優雅にピアノを奏でるというイメージではなく、ピアノと格闘しているイメージです。"ピアノって打楽器だったんだ〜"という印象です。映画「シャイン」の演奏もかなり攻撃的でしたが、こちらは破壊的な演奏といった方がよいかもしれません。
感動作ではない(多分…)ですが、最後にはお互いに心の自由を得たというすがすがしさを感じる作品です。
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今回は、映画「イースタン・プロミス」
病院で働くアンナの下に、一人の少女が運び込まれる。意識を失くした少女は、女の子を産み落とし、息を引き取る。バッグに入っていた手帳にはロシア語で日記らしいものが書かれており、少女がロシア人であることが分かる。手術に立ち会ったアンナは、少女の身元を確認するため、ロシア料理レストランのオーナーに相談すると、自分が日記の翻訳をしようと申し出る。しかし、その後、謎のロシア人、ニコライがアンナに近付き始め…。
イースタン・プロミス - goo 映画
上映時間 100分
製作国 イギリス/カナダ/アメリカ
公開情報 劇場公開(日活)
初公開年月 2008/06/14
ジャンル サスペンス/犯罪/ドラマ
監督 デヴィッド・クローネンバーグ
製作 ポール・ウェブスター ロバート・ラントス
製作総指揮 スティーヴン・ギャレット デヴィッド・M・トンプソン ジェフ・アッバリー
ジュリア・ブラックマン
脚本 スティーヴ・ナイト
撮影 ピーター・サシツキー
美術 キャロル・スピア
衣装 デニース・クローネンバーグ
編集 ロナルド・サンダース
音楽 ハワード・ショア
出演
ヴィゴ・モーテンセン ナオミ・ワッツ ヴァンサン・カッセル アーミン・ミューラー=スタール
イエジー・スコリモフスキー シニード・キューザック ミナ・E・ミナ サラ=ジャンヌ・ラブロッセ
ドナルド・サンプター ジョセフ・アルティン ラザ・ジャフリー オレガル・フェドロ 他

「ヒストリー・オブ・バイオレンス」に続く、マフィア物第2弾ですが、「クラッシュ」などで描いてきた普通の社会の裏にある見えない世界、普通の人間が立ち入れない世界を描いた作品です。作品のタイトル「イースタン・プロミス」はイギリスにおける東欧組織の人身売買契約のことで、おもに売春目的の人身売買を指します。もともとスティーヴ・ナイトの脚本が監督決定以前にあったそうで、クローネンバーグに監督が決定すると、よりリアルなものにするため、リサーチを重ね撮影に臨んだそうです。

普通の人(ナオミ・ワッツ扮する看護士)が、普通じゃない人(ヴィゴ・モーテンセンとヴァンサン・カッセル扮するロシア系マフィア)と関わってしまうことになり、ロンドンにあるロシア人社会の闇の部分を目にする事になりますが、作品に登場する"法の泥棒"という組織は実在する組織ということからも分かるとおり、かなり徹底してリサーチを行い、ヴィゴ・モーテンセンも役になりきるため実際ロシアに行ったり、リサーチを入念に行い撮影に臨んだそうです。
ヴィゴ・モーテンセンは謎のあるロシア人を男の色気をプンプンさせて熱演し、アカデミー主演男優賞にノミネートされました。見所は色々ありますがが、中でも話題になっているのがサウナでの全裸ファイトのシーンで、無修正モロ出しという、あくまでリアルな格闘にこだわったシーンです。「ボーン〜」シリーズのようにしたくなかったという映像は、ほとんどミドルショットでほぼ身体の2/3は常に映っている映像のため、かなりリアリティのあるものになっています。ヴィゴ・モーテンセンは当然のように演じたそうですが、観るほうとしては目のやり場に困る(いや、視線が釘付けに…)シーンでした。
マフィアの親分の息子を演じたヴァンサン・カッセルはかなり存在感の強く、デヴィッド・リンチ監督の「ブルー・ベルベット」の中で、デニス・ホッパーが演じたフランク・ブースと同様に、性的不能者の異常さを好演しています。(デニス・ホッパーほどの異常性はありません。むしろ悲壮感が漂っています)

ロシアの裏社会では、タトゥーが男の履歴書のような存在で、どのタトゥーにも意味があり、どんなタトゥーをしているかで、それまでの生き方が分かるそうです。ヴィゴ・モーテンセンは全身に43ヶ所ものタトゥーを描いたそうです(上の写真はマフィアへの仲間入りの審査を受けているシーン)。
ロシアのマフィアの中には、事業で成功し大金持ちになった人もいるようで、チェルシーを買収し一躍有名になったアブラモビッチ氏もマフィアとのつながりを噂されていますが、石油事業で大金持ちになったそうです。また、世界中そうですが、ロシアも政治家とマフィアのつながりは色々とあるそうです。
暴力シーンや、残酷なシーンはどれも印象が強く(らしい映像ももちろんあります)、暴力描写を追及した作品のようについ感じてしまいそうになりますが、実際はドラマの部分が多く、メイン3人の熱演にこれまでの作品以上に映画としての高い完成度を感じます。ストーリーは非常に分かりやすく、下手をするとありがちなマフィア映画になってしまいがちですが、俳優陣の熱演と人間ドラマを重視したつくりが非常に心地よく感じました。
最近、東欧やロシアの裏社会の登場する作品を観る機会が続いています。「サラエボの花」、「題名のない子守唄」も東欧の闇の部分を描いた作品です。一部を除いて、貧困層がかなり多いそうです。生きるために祖国を出るしかない人々、裏の社会に閉じ込められた人が多数いるそうです。日本ではあまりニュースで見かけることのない問題ですが、実はかなり深刻のようです。この作品はそういった問題も出産時に命を落とすタチアナという女性の日記の形で描いています。前作でもアメリカの二重性を批判した社会性の高い作品でしたが、今回もそれ以上に高い社会性と異常な描写を共存させたクローネンバーグ監督のらしさと成熟を感じる作品です。どちらかというと、アメリカのマフィア映画より、日本のヤクザ映画に近いような感じがする作品です。
デビッド・クローネンバーグ監督インタビュー
ヴィゴ・モーテンセン インタビュー
劇場で販売しているパンフレット、最近の作品では最も読み応えがありました。タトゥーのこと、ロンドンのロシア社会のことなど色々と載っています。
クローネンバーグ特集、以上で終了です。お付き合いいただきありがとうございました。
関連作品:
ヒストリー・オブ・バイオレンス スパイダー 少年は蜘蛛にキスをする イグジステンズ 裸のランチ ヴィデオドローム ザ・ブルード/怒りのメタファー クラッシュ

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病院で働くアンナの下に、一人の少女が運び込まれる。意識を失くした少女は、女の子を産み落とし、息を引き取る。バッグに入っていた手帳にはロシア語で日記らしいものが書かれており、少女がロシア人であることが分かる。手術に立ち会ったアンナは、少女の身元を確認するため、ロシア料理レストランのオーナーに相談すると、自分が日記の翻訳をしようと申し出る。しかし、その後、謎のロシア人、ニコライがアンナに近付き始め…。
イースタン・プロミス - goo 映画
上映時間 100分
製作国 イギリス/カナダ/アメリカ
公開情報 劇場公開(日活)
初公開年月 2008/06/14
ジャンル サスペンス/犯罪/ドラマ
監督 デヴィッド・クローネンバーグ
製作 ポール・ウェブスター ロバート・ラントス
製作総指揮 スティーヴン・ギャレット デヴィッド・M・トンプソン ジェフ・アッバリー
ジュリア・ブラックマン
脚本 スティーヴ・ナイト
撮影 ピーター・サシツキー
美術 キャロル・スピア
衣装 デニース・クローネンバーグ
編集 ロナルド・サンダース
音楽 ハワード・ショア
出演
ヴィゴ・モーテンセン ナオミ・ワッツ ヴァンサン・カッセル アーミン・ミューラー=スタール
イエジー・スコリモフスキー シニード・キューザック ミナ・E・ミナ サラ=ジャンヌ・ラブロッセ
ドナルド・サンプター ジョセフ・アルティン ラザ・ジャフリー オレガル・フェドロ 他

「ヒストリー・オブ・バイオレンス」に続く、マフィア物第2弾ですが、「クラッシュ」などで描いてきた普通の社会の裏にある見えない世界、普通の人間が立ち入れない世界を描いた作品です。作品のタイトル「イースタン・プロミス」はイギリスにおける東欧組織の人身売買契約のことで、おもに売春目的の人身売買を指します。もともとスティーヴ・ナイトの脚本が監督決定以前にあったそうで、クローネンバーグに監督が決定すると、よりリアルなものにするため、リサーチを重ね撮影に臨んだそうです。

普通の人(ナオミ・ワッツ扮する看護士)が、普通じゃない人(ヴィゴ・モーテンセンとヴァンサン・カッセル扮するロシア系マフィア)と関わってしまうことになり、ロンドンにあるロシア人社会の闇の部分を目にする事になりますが、作品に登場する"法の泥棒"という組織は実在する組織ということからも分かるとおり、かなり徹底してリサーチを行い、ヴィゴ・モーテンセンも役になりきるため実際ロシアに行ったり、リサーチを入念に行い撮影に臨んだそうです。
ヴィゴ・モーテンセンは謎のあるロシア人を男の色気をプンプンさせて熱演し、アカデミー主演男優賞にノミネートされました。見所は色々ありますがが、中でも話題になっているのがサウナでの全裸ファイトのシーンで、無修正モロ出しという、あくまでリアルな格闘にこだわったシーンです。「ボーン〜」シリーズのようにしたくなかったという映像は、ほとんどミドルショットでほぼ身体の2/3は常に映っている映像のため、かなりリアリティのあるものになっています。ヴィゴ・モーテンセンは当然のように演じたそうですが、観るほうとしては目のやり場に困る(いや、視線が釘付けに…)シーンでした。
マフィアの親分の息子を演じたヴァンサン・カッセルはかなり存在感の強く、デヴィッド・リンチ監督の「ブルー・ベルベット」の中で、デニス・ホッパーが演じたフランク・ブースと同様に、性的不能者の異常さを好演しています。(デニス・ホッパーほどの異常性はありません。むしろ悲壮感が漂っています)

ロシアの裏社会では、タトゥーが男の履歴書のような存在で、どのタトゥーにも意味があり、どんなタトゥーをしているかで、それまでの生き方が分かるそうです。ヴィゴ・モーテンセンは全身に43ヶ所ものタトゥーを描いたそうです(上の写真はマフィアへの仲間入りの審査を受けているシーン)。
ロシアのマフィアの中には、事業で成功し大金持ちになった人もいるようで、チェルシーを買収し一躍有名になったアブラモビッチ氏もマフィアとのつながりを噂されていますが、石油事業で大金持ちになったそうです。また、世界中そうですが、ロシアも政治家とマフィアのつながりは色々とあるそうです。
暴力シーンや、残酷なシーンはどれも印象が強く(らしい映像ももちろんあります)、暴力描写を追及した作品のようについ感じてしまいそうになりますが、実際はドラマの部分が多く、メイン3人の熱演にこれまでの作品以上に映画としての高い完成度を感じます。ストーリーは非常に分かりやすく、下手をするとありがちなマフィア映画になってしまいがちですが、俳優陣の熱演と人間ドラマを重視したつくりが非常に心地よく感じました。
最近、東欧やロシアの裏社会の登場する作品を観る機会が続いています。「サラエボの花」、「題名のない子守唄」も東欧の闇の部分を描いた作品です。一部を除いて、貧困層がかなり多いそうです。生きるために祖国を出るしかない人々、裏の社会に閉じ込められた人が多数いるそうです。日本ではあまりニュースで見かけることのない問題ですが、実はかなり深刻のようです。この作品はそういった問題も出産時に命を落とすタチアナという女性の日記の形で描いています。前作でもアメリカの二重性を批判した社会性の高い作品でしたが、今回もそれ以上に高い社会性と異常な描写を共存させたクローネンバーグ監督のらしさと成熟を感じる作品です。どちらかというと、アメリカのマフィア映画より、日本のヤクザ映画に近いような感じがする作品です。
デビッド・クローネンバーグ監督インタビュー
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劇場で販売しているパンフレット、最近の作品では最も読み応えがありました。タトゥーのこと、ロンドンのロシア社会のことなど色々と載っています。
クローネンバーグ特集、以上で終了です。お付き合いいただきありがとうございました。
関連作品:
ヒストリー・オブ・バイオレンス スパイダー 少年は蜘蛛にキスをする イグジステンズ 裸のランチ ヴィデオドローム ザ・ブルード/怒りのメタファー クラッシュ
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今回は、映画「ヒストリー・オブ・バイオレンス」
アメリカ・インディアナ州の田舎町。小さなダイナーを経営するトム・ストールは、妻のエディや2人の子どもとともに、愛に満ちた幸せな日々を過ごしていた。そんなある夜、彼の店が2人組の強盗に襲われてしまう。そこで隙をついて強盗の銃を奪い取り2人を撃ち倒したトムは、一躍ヒーローとして扱われることに。しかしそのことがきっかけで、彼の過去が明らかとなっていく…。
ヒストリー・オブ・バイオレンス - goo 映画
上映時間 96分
製作国 アメリカ/カナダ
公開情報 劇場公開(ムービーアイ)
初公開年月 2006/03/11
ジャンル サスペンス/ドラマ
監督 デヴィッド・クローネンバーグ
製作 クリス・ベンダー デヴィッド・クローネンバーグ J・C・スピンク
製作総指揮 ケント・オルターマン ケイル・ボイター ジョシュ・ブラウン ジャスティス・グリーン
ロジャー・カス トビー・エメリッヒ
原作 ジョン・ワグナー ヴィンス・ロック
脚本 ジョシュ・オルソン
撮影 ピーター・サシツキー
美術 キャロル・スピア
衣装 デニース・クローネンバーグ
編集 ロナルド・サンダース
音楽 ハワード・ショア
出演
ヴィゴ・モーテンセン マリア・ベロ エド・ハリス ウィリアム・ハート アシュトン・ホームズ
ハイディ・ヘイズ ピーター・マクニール スティーヴン・マクハティ グレッグ・ブリック
これまで、ドラッグや精神障害などで現実と幻覚、過去と現在の分離を描いてきたクローネンバーグ監督が、自らの意思で忌まわしい過去との決別をした主人公がある事件をきっかけに過去の自分へ引き戻される姿を家族の姿とあわせ描いた作品です。
この作品では、主人公の過去に行った暴力の歴史が背景にありますが、クローネンバーグ監督のインタビューにもあるように、どんな善良な人間でも突然の暴力に巻き込まれる可能性の存在する現在、自ら手を汚していなくても実際は誰かの暴力によって世界は守られ、動いている部分があります。日常生活で"暴力はいけないこと"と教えられていますが、本当にそうなのか?避けることのできない暴力もあるのでは?という疑問提起しつつ、最終的には暴力は所詮暴力という描き方をしています。
逃れられない暴力から自分や家族を守るためには、暴力でしか対抗する手段はない、そんな状況を過激な描写と共に、この作品では描いています。スプラッター描写と西部劇のようなプロットを微妙なバランスで描くことで、どちらに偏ることもなく最後まで緊張感のある作品にした点はドラマも撮れるクローネンバーグ監督を証明した作品と言えるのかもしれません。
「ロード・オブ・ザ・リング」のアルゴルン役で、大きく人生の変わったヴィゴ・モーテンセンがアクションシーン以外にも人間の持つ善と悪の二面を演じ、「ロード・オブ・ザ・リング」ではあまりクローズアップされなかった性格俳優としての面が前面に出ています。普通のカフェ店主から暴力で生きてきた男へ変わる瞬間は独特の色気すら感じるほどで、最新作の「イースタン・プロミス」でもその演技はさらに過激さと色気とリアルさをアップしています。クローネンバーグ監督によると、主人公の二面性はイラク戦争を続けるアメリカの二面性(正義のための戦争を標榜しつつ実は単に暴力行為を続けているに過ぎない)という点を重ねているそうです。
これまで、クローネンバーグ監督の作品をいくつか紹介してきましたが、紹介していない名(迷?)作もいろいろあります。またそのうち紹介するかもしれませんが、最新作「イースタン・プロミス」を紹介してひとまず終了にします。時代を先取りしすぎて理解できなかった部分もあった過去の作品も多いですが、改めて観てみるとすんなりと理解できる部分も多いと思います。個性が強すぎて苦手な方も多い監督さんかもしれませんが、改めて観てみると案外ハマッてしまうかもしれませんよ。
デビッド・クローネンバーグ監督インタビュー
ヴィゴ・モーテンセン インタビュー
マリア・ベロ インタビュー

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アメリカ・インディアナ州の田舎町。小さなダイナーを経営するトム・ストールは、妻のエディや2人の子どもとともに、愛に満ちた幸せな日々を過ごしていた。そんなある夜、彼の店が2人組の強盗に襲われてしまう。そこで隙をついて強盗の銃を奪い取り2人を撃ち倒したトムは、一躍ヒーローとして扱われることに。しかしそのことがきっかけで、彼の過去が明らかとなっていく…。
ヒストリー・オブ・バイオレンス - goo 映画
上映時間 96分
製作国 アメリカ/カナダ
公開情報 劇場公開(ムービーアイ)
初公開年月 2006/03/11
ジャンル サスペンス/ドラマ
監督 デヴィッド・クローネンバーグ
製作 クリス・ベンダー デヴィッド・クローネンバーグ J・C・スピンク
製作総指揮 ケント・オルターマン ケイル・ボイター ジョシュ・ブラウン ジャスティス・グリーン
ロジャー・カス トビー・エメリッヒ
原作 ジョン・ワグナー ヴィンス・ロック
脚本 ジョシュ・オルソン
撮影 ピーター・サシツキー
美術 キャロル・スピア
衣装 デニース・クローネンバーグ
編集 ロナルド・サンダース
音楽 ハワード・ショア
出演
ヴィゴ・モーテンセン マリア・ベロ エド・ハリス ウィリアム・ハート アシュトン・ホームズ
ハイディ・ヘイズ ピーター・マクニール スティーヴン・マクハティ グレッグ・ブリック
![]() | ヒストリー・オブ・バイオレンス (2006/09/08) ヴィゴ・モーテンセン 商品詳細を見る |
これまで、ドラッグや精神障害などで現実と幻覚、過去と現在の分離を描いてきたクローネンバーグ監督が、自らの意思で忌まわしい過去との決別をした主人公がある事件をきっかけに過去の自分へ引き戻される姿を家族の姿とあわせ描いた作品です。
この作品では、主人公の過去に行った暴力の歴史が背景にありますが、クローネンバーグ監督のインタビューにもあるように、どんな善良な人間でも突然の暴力に巻き込まれる可能性の存在する現在、自ら手を汚していなくても実際は誰かの暴力によって世界は守られ、動いている部分があります。日常生活で"暴力はいけないこと"と教えられていますが、本当にそうなのか?避けることのできない暴力もあるのでは?という疑問提起しつつ、最終的には暴力は所詮暴力という描き方をしています。
逃れられない暴力から自分や家族を守るためには、暴力でしか対抗する手段はない、そんな状況を過激な描写と共に、この作品では描いています。スプラッター描写と西部劇のようなプロットを微妙なバランスで描くことで、どちらに偏ることもなく最後まで緊張感のある作品にした点はドラマも撮れるクローネンバーグ監督を証明した作品と言えるのかもしれません。
「ロード・オブ・ザ・リング」のアルゴルン役で、大きく人生の変わったヴィゴ・モーテンセンがアクションシーン以外にも人間の持つ善と悪の二面を演じ、「ロード・オブ・ザ・リング」ではあまりクローズアップされなかった性格俳優としての面が前面に出ています。普通のカフェ店主から暴力で生きてきた男へ変わる瞬間は独特の色気すら感じるほどで、最新作の「イースタン・プロミス」でもその演技はさらに過激さと色気とリアルさをアップしています。クローネンバーグ監督によると、主人公の二面性はイラク戦争を続けるアメリカの二面性(正義のための戦争を標榜しつつ実は単に暴力行為を続けているに過ぎない)という点を重ねているそうです。
これまで、クローネンバーグ監督の作品をいくつか紹介してきましたが、紹介していない名(迷?)作もいろいろあります。またそのうち紹介するかもしれませんが、最新作「イースタン・プロミス」を紹介してひとまず終了にします。時代を先取りしすぎて理解できなかった部分もあった過去の作品も多いですが、改めて観てみるとすんなりと理解できる部分も多いと思います。個性が強すぎて苦手な方も多い監督さんかもしれませんが、改めて観てみると案外ハマッてしまうかもしれませんよ。
デビッド・クローネンバーグ監督インタビュー
ヴィゴ・モーテンセン インタビュー
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関連タグ : デヴィッド・クローネンバーグ,
今回は、映画「裸のランチ」
1953年、ニューヨーク。ウィリアム・リー(ピーター・ウェラー)は害虫駆除の仕事をしていたが、殺虫剤が減るのが早すぎることに気づく。妻ジョーン (ジュディ・デイヴィス)が麻薬として使用していたのだ。ある日、麻薬捜査官に連行されたウィリアムの前に巨大な_虫____が現れ、彼に話しかける。スパイ活動と報告書提出、さらにインターゾーン商会の回し者だというジョーンの殺害を指示されるが、ウィリアムはバグを叩き潰して逃げ出す。
裸のランチ(1991) - goo 映画
上映時間 117分
製作国 イギリス/カナダ
公開情報 劇場公開(松竹富士)
初公開年月 1992/07/
ジャンル ドラマ
監督 デヴィッド・クローネンバーグ
製作 ジェレミー・トーマス
原作 ウィリアム・バロウズ
脚本 デヴィッド・クローネンバーグ
撮影 ピーター・サシツキー
音楽 ハワード・ショア
出演
ピーター・ウェラー ジュディ・デイヴィス イアン・ホルム ジュリアン・サンズ ロイ・シャイダー
モニーク・メルキューレ ニコラス・キャンベル マイケル・ゼルニカー ジョセフ・スコーシアニー 他
ウィリアム・バロウズの原作を映画化した作品ということになっていますが、バロウズの原作と、バロウズの逸話をクローネンバーグ風にアレンジした作品とするのがおそらく正しいでしょう。ストーリーを真剣に追っても理解できないと思います(原作自体、ストーリーがあってないような23章からなる作品で、個人的には映画以上に理解不能でした)。主人公にバロウズを投影し、「裸のランチ」を執筆中の様子を映像にしたものとして作品を鑑賞すると分かりやすいと思います。実際、ウィリアム・バロウズがどんな人物だったのかを知るのが鑑賞の出発になりますので、こちらをご覧ください。バロウズの逸話をご覧になると、この作品をご覧になった方は、逸話を基にした部分がよく分かると同時に、いかに巧みに脚本を作っているか分かると思います。
この作品のように薬物中毒を扱った作品は色々ありますが、ほとんどの作品は堕ちていく様子が描かれていますが、最初から最後まで幻覚の中のような作品はこの「裸のランチ」くらいです。そこが余計に分かりにくい部分だと思いますが、薬物中毒の小説家の執筆中の思考や行動がどのようなものかを、これほど斬新に表現した作品は他にないでしょう。
全編エロ、グロ、同性愛、薬物中毒、暴力といった内容です(バロウズの小説は出版当初発禁になりました)が、美術に関してはクローネンバーグ作品の中で最も美しいでしょう。(登場するクリーチャーは相変わらず気色悪いですが・・・)
この作品の薬物中毒と幻覚の状況は、他の映画で描かれるように悲劇的ではなく、むしろ滑稽に思えるほどです。従来のドラッグ物とは違う点も分かりにくく、受け入れにくい点なのかもしれませんが、原作はバロウズで、監督がクローネンバーグとなると、"なるほど"と思える作品ではあるでしょう。原作共々、万人におすすめする作品ではありませんが、原作が現代アメリカ文学を代表する作品のひとつであり、全米批評家協会賞やNY批評家協会賞で脚本賞を受賞したことからも、原作のクローネンバーグ風昇華がある程度成功したといえるのではないでしょうか。

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1953年、ニューヨーク。ウィリアム・リー(ピーター・ウェラー)は害虫駆除の仕事をしていたが、殺虫剤が減るのが早すぎることに気づく。妻ジョーン (ジュディ・デイヴィス)が麻薬として使用していたのだ。ある日、麻薬捜査官に連行されたウィリアムの前に巨大な_虫____が現れ、彼に話しかける。スパイ活動と報告書提出、さらにインターゾーン商会の回し者だというジョーンの殺害を指示されるが、ウィリアムはバグを叩き潰して逃げ出す。
裸のランチ(1991) - goo 映画
上映時間 117分
製作国 イギリス/カナダ
公開情報 劇場公開(松竹富士)
初公開年月 1992/07/
ジャンル ドラマ
監督 デヴィッド・クローネンバーグ
製作 ジェレミー・トーマス
原作 ウィリアム・バロウズ
脚本 デヴィッド・クローネンバーグ
撮影 ピーター・サシツキー
音楽 ハワード・ショア
出演
ピーター・ウェラー ジュディ・デイヴィス イアン・ホルム ジュリアン・サンズ ロイ・シャイダー
モニーク・メルキューレ ニコラス・キャンベル マイケル・ゼルニカー ジョセフ・スコーシアニー 他
![]() | 裸のランチ (2002/09/25) ピーター・ウェラー 商品詳細を見る |
![]() | 裸のランチ (河出文庫) (2003/08/07) ウィリアム・バロウズ 商品詳細を見る |
ウィリアム・バロウズの原作を映画化した作品ということになっていますが、バロウズの原作と、バロウズの逸話をクローネンバーグ風にアレンジした作品とするのがおそらく正しいでしょう。ストーリーを真剣に追っても理解できないと思います(原作自体、ストーリーがあってないような23章からなる作品で、個人的には映画以上に理解不能でした)。主人公にバロウズを投影し、「裸のランチ」を執筆中の様子を映像にしたものとして作品を鑑賞すると分かりやすいと思います。実際、ウィリアム・バロウズがどんな人物だったのかを知るのが鑑賞の出発になりますので、こちらをご覧ください。バロウズの逸話をご覧になると、この作品をご覧になった方は、逸話を基にした部分がよく分かると同時に、いかに巧みに脚本を作っているか分かると思います。
この作品のように薬物中毒を扱った作品は色々ありますが、ほとんどの作品は堕ちていく様子が描かれていますが、最初から最後まで幻覚の中のような作品はこの「裸のランチ」くらいです。そこが余計に分かりにくい部分だと思いますが、薬物中毒の小説家の執筆中の思考や行動がどのようなものかを、これほど斬新に表現した作品は他にないでしょう。
全編エロ、グロ、同性愛、薬物中毒、暴力といった内容です(バロウズの小説は出版当初発禁になりました)が、美術に関してはクローネンバーグ作品の中で最も美しいでしょう。(登場するクリーチャーは相変わらず気色悪いですが・・・)
この作品の薬物中毒と幻覚の状況は、他の映画で描かれるように悲劇的ではなく、むしろ滑稽に思えるほどです。従来のドラッグ物とは違う点も分かりにくく、受け入れにくい点なのかもしれませんが、原作はバロウズで、監督がクローネンバーグとなると、"なるほど"と思える作品ではあるでしょう。原作共々、万人におすすめする作品ではありませんが、原作が現代アメリカ文学を代表する作品のひとつであり、全米批評家協会賞やNY批評家協会賞で脚本賞を受賞したことからも、原作のクローネンバーグ風昇華がある程度成功したといえるのではないでしょうか。
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今回は、映画「クラッシュ」
トロント。CFプロデューサーのジェームズ・バラード(ジェームズ・スペイダー)と妻のキャサリン(デボラ・アンガー)は倦怠期を迎え、お互いのセックスでは感じることができず、家庭外で情事にふけっていた。ある日。ジェームズは出張で空港に向かう途中、ハイウェイで衝突事故を起こす。相手のレミントン夫妻は運転していた夫は死亡、妻のヘレン(ホリー・ハンター)はジェームズと同じ病院に運び込まれた。
クラッシュ(1996) - goo 映画
上映時間 101分
製作国 カナダ
公開情報 劇場公開(ヘラルド)
初公開年月 1997/01/
ジャンル ドラマ/エロティック
監督 デヴィッド・クローネンバーグ
製作 デヴィッド・クローネンバーグ
原作 J・G・バラード
脚本 デヴィッド・クローネンバーグ
撮影 ピーター・サシツキー
音楽 ハワード・ショア
出演
ジェームズ・スペイダー ホリー・ハンター イライアス・コティーズ デボラ・アンガー
ロザンナ・アークエット ピーター・マクニール
バイクとレースカー好き、あわせて変態チックな映画を撮り続けているクローネンバーグ監督らしい作品ではありますが、カンヌ国際映画祭審査委員特別賞を受賞したものの、賛否両論を引き起こし、日本公開の際は成人指定を受けた、いわく付きの作品です。
1973年にJ・G・バラードが"テクノロジー3部作"の最後に書いた小説ですが、当時はあまりの過激さに映画化は不可能といわれていたそうですが、20年後映画化されたのは人間の刺激に対する意識が"より過激なものを"という方向へ進んでいる現われなのでしょう。映画化からさらに10年の歳月が経っていますが、相変わらず理解できない倫理的な壁は多少感じるものの、過激さという点においてはもっと過激な作品を目にすることができるようになっています。
この作品のテーマはJ・G・バラードのインタビューでのコメントが一番分かりやすそうなのでそちらをご覧ください。(J・G・バラード インタビュー)
小説の出版から30年の歳月を経て、ようやく実感できるようになりつつある部分も多い作品と言えますが、人間のより強い刺激を求める気持ちはどんどん加速し、そういった希望を満たす方向に映画のつくり方も変化しています。クローネンバーグ監督の作風は異端視もされますが、主人公に自己を投影した作品が多く、自身の欲求、人間の欲求をストレートに表現する映像作家としてはとても素直な作風とも言えます。
自動車事故と性的興奮というアンチモラルとも取れるテーマですが、より強い刺激を求める病的な人間心理を描いた作品としては、ひとつの帰結点といえる作品なのかもしれません。性描写の多さが問題視された作品ですが、今観ると、もっと過激なものを観ることのできる世の中のほうに恐ろしさすら感じます。どこまで進むのか分かりませんが、止まることはないでしょう。クローネンバーグ監督の作品のテーマのひとつが"刺激の追求"にあるとも言えるので、古い作品からいくつかをご紹介していこうと思います。当時、過激な内容に観客がついていけない部分もあったように思いますが、今観ると理解できる点も多く、時代が追いついてしまった(?)のかもしれません。

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トロント。CFプロデューサーのジェームズ・バラード(ジェームズ・スペイダー)と妻のキャサリン(デボラ・アンガー)は倦怠期を迎え、お互いのセックスでは感じることができず、家庭外で情事にふけっていた。ある日。ジェームズは出張で空港に向かう途中、ハイウェイで衝突事故を起こす。相手のレミントン夫妻は運転していた夫は死亡、妻のヘレン(ホリー・ハンター)はジェームズと同じ病院に運び込まれた。
クラッシュ(1996) - goo 映画
上映時間 101分
製作国 カナダ
公開情報 劇場公開(ヘラルド)
初公開年月 1997/01/
ジャンル ドラマ/エロティック
監督 デヴィッド・クローネンバーグ
製作 デヴィッド・クローネンバーグ
原作 J・G・バラード
脚本 デヴィッド・クローネンバーグ
撮影 ピーター・サシツキー
音楽 ハワード・ショア
出演
ジェームズ・スペイダー ホリー・ハンター イライアス・コティーズ デボラ・アンガー
ロザンナ・アークエット ピーター・マクニール
![]() | クラッシュ (2007/05/25) ジェームズ・スペイダー 商品詳細を見る |
バイクとレースカー好き、あわせて変態チックな映画を撮り続けているクローネンバーグ監督らしい作品ではありますが、カンヌ国際映画祭審査委員特別賞を受賞したものの、賛否両論を引き起こし、日本公開の際は成人指定を受けた、いわく付きの作品です。
1973年にJ・G・バラードが"テクノロジー3部作"の最後に書いた小説ですが、当時はあまりの過激さに映画化は不可能といわれていたそうですが、20年後映画化されたのは人間の刺激に対する意識が"より過激なものを"という方向へ進んでいる現われなのでしょう。映画化からさらに10年の歳月が経っていますが、相変わらず理解できない倫理的な壁は多少感じるものの、過激さという点においてはもっと過激な作品を目にすることができるようになっています。
この作品のテーマはJ・G・バラードのインタビューでのコメントが一番分かりやすそうなのでそちらをご覧ください。(J・G・バラード インタビュー)
小説の出版から30年の歳月を経て、ようやく実感できるようになりつつある部分も多い作品と言えますが、人間のより強い刺激を求める気持ちはどんどん加速し、そういった希望を満たす方向に映画のつくり方も変化しています。クローネンバーグ監督の作風は異端視もされますが、主人公に自己を投影した作品が多く、自身の欲求、人間の欲求をストレートに表現する映像作家としてはとても素直な作風とも言えます。
自動車事故と性的興奮というアンチモラルとも取れるテーマですが、より強い刺激を求める病的な人間心理を描いた作品としては、ひとつの帰結点といえる作品なのかもしれません。性描写の多さが問題視された作品ですが、今観ると、もっと過激なものを観ることのできる世の中のほうに恐ろしさすら感じます。どこまで進むのか分かりませんが、止まることはないでしょう。クローネンバーグ監督の作品のテーマのひとつが"刺激の追求"にあるとも言えるので、古い作品からいくつかをご紹介していこうと思います。当時、過激な内容に観客がついていけない部分もあったように思いますが、今観ると理解できる点も多く、時代が追いついてしまった(?)のかもしれません。
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