今回は、映画「ヴィデオドローム」
トロントのケーブルTV局シヴィックTVでは、セックスと暴力を売り物にしたセンセーショナルな番組を放映していた。若き野心家の社長のマックス(ジェームズ・ウッズ)は、ハーラン(ピーター・ドヴォースキー)のキャッチしたSMヴィデオを見る。その後、TVの暴力性について、ラジオのDJニッキ(デボラ・ハリー)、オブリヴィオン教授(ジャック・クレリー)とTV対談を行なった。オブリヴィオン教授はTVで写ったことが真実なのだと主張する。
ヴィデオドローム(1982) - goo 映画
上映時間 87分
製作国 カナダ
公開情報 劇場公開(ユーロスペース)
初公開年月 1985/06/
ジャンル SF/ホラー
監督 デヴィッド・クローネンバーグ
製作 クロード・エロー
製作総指揮 ピエール・デヴィッド ヴィクター・ソルニッキ
脚本 デヴィッド・クローネンバーグ
撮影 マーク・アーウィン
特殊メイク リック・ベイカー
音楽 ハワード・ショア
出演
ジェームズ・ウッズ デボラ・ハリー ソーニャ・スミッツ レイ・カールソン ピーター・ドゥヴォルスキー 他
その後の作品でもしばしば登場する、幻覚と現実の境がなくなっていく作品です。映画「ザ・ブルード/怒りのメタファー」では憎しみや怒りの感情が腫瘍に変化するというプロットが用いられましたが、この作品は「ヴィデオドローム」というビデオテープの映像の刺激により脳に腫瘍ができ、それによって幻覚を見るようになり、最後には幻覚を現実にする力まで持つようになります。
マイケル・ジャクソンの「スリラー」を手がけたハリウッドの特殊メイクアーティスト、リック・ベイカーによる強烈な特殊効果が随所に使われていますが、ぱっくり開いた腹部にビデオテープを挿入し「ビデオ人間」になるシーンは有名です。
この作品、非常に分かりにくい作品で、何度観ても分かったような分かってないような作品ですが、原因はいくつかあり、一番の原因は予算の都合で結論のないまま撮影を始めたことにあるようです。もともとの脚本は1本の映画では収まらないほど膨大なものになり、結論のないまま撮影されたストーリーはしばしば矛盾とゆらぎが生じているため観れば観るほど疑問が生じます。
そんな中、その後の作品へと続くテーマが作品の中にいくつか観る事ができます。まず、機械と人間の融合のイメージは「クラッシュ」、「イグジステンズ」などへ続き、幻覚と現実の境界がなくなる点に関しては「裸のランチ」、「イグジステンズ」、「スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする」(「ヒストリー・オブ・バイオレンス」も観かたによってはそう言えるかもしれません)へと続いていきます。
本来人間の利便性のために作られた機械に支配されていくというプロットは多くの映画で観られますが、ここまで露骨に描いた作品は他にないかもしれません。「AKIRA」でも鉄男と機械が融合するシーンが登場しますが、「スキャナーズ」で描かれた思念による殺人などクローネンバーグ監督の作品と共通するイメージが多く登場します。
また、「クラッシュ」と同様に、この作品も時代を大きく先取りした感があり、当時より今改めて鑑賞すると理解できる部分も多いように感じます。日本ではそれほど多くありませんがアメリカではメディアによる布教活動で大きな力を持つようになった宗教関係者も存在し、アメリカの政策決定にも大きな力を持つほどになっています。意図したのかは定かではありませんが、「ヴィデオドローム」の生みの親がヴィデオでしか登場しないにもかかわらず、観た人間を洗脳していく様はまさにそのもののように感じます。
主人公の設定に関しては、やはりクローネンバーグ本人を意識しているようです(そのまんまかもしれません)。視聴率のために視聴者のニーズに合わせ放送を続けるメディアには思想や哲学はないので罪はありませんが、思想や哲学を持つ番組(どんな番組か想像してみてください)やメディアは脅威になるという主張がされていますが、そういう意味では一貫して同じようなテーマを追求し続けるクローネンバーグ監督も脅威なのかもしれません(笑)。とっても面白い作品です。

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トロントのケーブルTV局シヴィックTVでは、セックスと暴力を売り物にしたセンセーショナルな番組を放映していた。若き野心家の社長のマックス(ジェームズ・ウッズ)は、ハーラン(ピーター・ドヴォースキー)のキャッチしたSMヴィデオを見る。その後、TVの暴力性について、ラジオのDJニッキ(デボラ・ハリー)、オブリヴィオン教授(ジャック・クレリー)とTV対談を行なった。オブリヴィオン教授はTVで写ったことが真実なのだと主張する。
ヴィデオドローム(1982) - goo 映画
上映時間 87分
製作国 カナダ
公開情報 劇場公開(ユーロスペース)
初公開年月 1985/06/
ジャンル SF/ホラー
監督 デヴィッド・クローネンバーグ
製作 クロード・エロー
製作総指揮 ピエール・デヴィッド ヴィクター・ソルニッキ
脚本 デヴィッド・クローネンバーグ
撮影 マーク・アーウィン
特殊メイク リック・ベイカー
音楽 ハワード・ショア
出演
ジェームズ・ウッズ デボラ・ハリー ソーニャ・スミッツ レイ・カールソン ピーター・ドゥヴォルスキー 他
![]() | ビデオドローム (ユニバーサル・セレクション2008年第6弾) 【初回生産限定】 (2008/06/12) ジェームズ・ウッズ.ソーニャ・スミッツ.デボラ・ハリー.ピーター・ドゥヴォルスキー 商品詳細を見る |
その後の作品でもしばしば登場する、幻覚と現実の境がなくなっていく作品です。映画「ザ・ブルード/怒りのメタファー」では憎しみや怒りの感情が腫瘍に変化するというプロットが用いられましたが、この作品は「ヴィデオドローム」というビデオテープの映像の刺激により脳に腫瘍ができ、それによって幻覚を見るようになり、最後には幻覚を現実にする力まで持つようになります。
マイケル・ジャクソンの「スリラー」を手がけたハリウッドの特殊メイクアーティスト、リック・ベイカーによる強烈な特殊効果が随所に使われていますが、ぱっくり開いた腹部にビデオテープを挿入し「ビデオ人間」になるシーンは有名です。
この作品、非常に分かりにくい作品で、何度観ても分かったような分かってないような作品ですが、原因はいくつかあり、一番の原因は予算の都合で結論のないまま撮影を始めたことにあるようです。もともとの脚本は1本の映画では収まらないほど膨大なものになり、結論のないまま撮影されたストーリーはしばしば矛盾とゆらぎが生じているため観れば観るほど疑問が生じます。
そんな中、その後の作品へと続くテーマが作品の中にいくつか観る事ができます。まず、機械と人間の融合のイメージは「クラッシュ」、「イグジステンズ」などへ続き、幻覚と現実の境界がなくなる点に関しては「裸のランチ」、「イグジステンズ」、「スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする」(「ヒストリー・オブ・バイオレンス」も観かたによってはそう言えるかもしれません)へと続いていきます。
本来人間の利便性のために作られた機械に支配されていくというプロットは多くの映画で観られますが、ここまで露骨に描いた作品は他にないかもしれません。「AKIRA」でも鉄男と機械が融合するシーンが登場しますが、「スキャナーズ」で描かれた思念による殺人などクローネンバーグ監督の作品と共通するイメージが多く登場します。
また、「クラッシュ」と同様に、この作品も時代を大きく先取りした感があり、当時より今改めて鑑賞すると理解できる部分も多いように感じます。日本ではそれほど多くありませんがアメリカではメディアによる布教活動で大きな力を持つようになった宗教関係者も存在し、アメリカの政策決定にも大きな力を持つほどになっています。意図したのかは定かではありませんが、「ヴィデオドローム」の生みの親がヴィデオでしか登場しないにもかかわらず、観た人間を洗脳していく様はまさにそのもののように感じます。
主人公の設定に関しては、やはりクローネンバーグ本人を意識しているようです(そのまんまかもしれません)。視聴率のために視聴者のニーズに合わせ放送を続けるメディアには思想や哲学はないので罪はありませんが、思想や哲学を持つ番組(どんな番組か想像してみてください)やメディアは脅威になるという主張がされていますが、そういう意味では一貫して同じようなテーマを追求し続けるクローネンバーグ監督も脅威なのかもしれません(笑)。とっても面白い作品です。
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関連タグ : デヴィッド・クローネンバーグ,
この記事へのコメント
なんだこりゃ?から始まって、観るたびに少しづつ理解できるようになってきたように思います。でもへんてこに思うのは変わりません。(笑)でもまた観てしまう変な魅力のある作品です。
映画の内容と同じで、はまると癖になりますね。「デッドゾーン」はスティーブン・キング原作の映画では凄くいい作品だと思います。けど、クローネンバーグらしくない…わかります(笑)
から梅雨で、夏に水不足になるよりはましかな?とあきらめるしかないですね(笑)
朝から大雨だと、足元がびしょびしょで乾くまで気持ち悪いです。
朝から大雨だと、足元がびしょびしょで乾くまで気持ち悪いです。
降らないと困りますが、降るとうっとうしいですよね。こちらの都合に合わせてはくれないので仕方ないですが…
梅雨明けまで辛抱しましょうね
梅雨明けまで辛抱しましょうね
電話にスピルバーグ(たぶん)、電話ボックスのガラスにカメラマンが写ってますが、数秒なのでDVDだったら一時停止するとすぐ分かると思いますよ。「ジョーズ」も最初は見せずに怖がらすうまい撮り方でしたが、こっちもうまいですね。
ずいぶん前に観たのですが、おもしろかったという印象だけで、
細かい内容はあまり覚えていません。
ということは前観たときは内容をしっかり理解していなかったのでしょうねえ。
観直したい映画のひとつです。
応援ぽち
細かい内容はあまり覚えていません。
ということは前観たときは内容をしっかり理解していなかったのでしょうねえ。
観直したい映画のひとつです。
応援ぽち
ビデオドローム、とっても良いですね。クローネンバーグの中では、もっとも、らしくない「デッドゾーン」と、もっとも、らしい本作が気に入っています。
随分前に観たのでかなり忘れていますが、また観たい作品です。
随分前に観たのでかなり忘れていますが、また観たい作品です。
こんばんは
kensuke君じゃないですが
今日は1日中雨が強くて
大変でした・・・
(仕事状)
しばらく雨が続くようですね・・・
ぽち
kensuke君じゃないですが
今日は1日中雨が強くて
大変でした・・・
(仕事状)
しばらく雨が続くようですね・・・
ぽち
こんばんは!
こちらは梅雨いりした
とたんに強い雨の1日でした。
お腹すいたー早く夕飯食べたい!
すみませんブルーブルーさんみたいに、つぶやきコメになりました(笑)応援です!
こちらは梅雨いりした
とたんに強い雨の1日でした。
お腹すいたー早く夕飯食べたい!
すみませんブルーブルーさんみたいに、つぶやきコメになりました(笑)応援です!
激突、の話ですみません。
昨日は、主人が休みだったので、
1時20分から予約録画の設定をしていたけど、
リアルタイムで観てしまいました。
電話ボックスの最初のカットの話を主人にもして、
2人して真剣に観ていたにもかかわらず、見逃してしまいました。
やはり、録画すればよかった。
でも、執拗に追いかける車に怖くなりました。
応援4ポチ
昨日は、主人が休みだったので、
1時20分から予約録画の設定をしていたけど、
リアルタイムで観てしまいました。
電話ボックスの最初のカットの話を主人にもして、
2人して真剣に観ていたにもかかわらず、見逃してしまいました。
やはり、録画すればよかった。
でも、執拗に追いかける車に怖くなりました。
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